自明性の喪失―分裂病の現象学
自明性の喪失―分裂病の現象学
によって W.ブランケンブルク
4.5 5つ星のうち(4人の読者)
自明性の喪失―分裂病の現象学 - 内容紹介 ここに登場するただ一つの症例はアンネ・ラウという女性で、睡眠薬自殺をはかり入院したのは20歳の時であった。「あたりまえ」ということが彼女にはわからなくなった。「ほかの人たちも同じだ」ということが感じられなくなったのである。彼女の自己表現は緻密で、豊かな内容をもっていた。この症例は大多数の臨床病像の基礎にある普遍的なものを、純粋な形で示していた。人間には、もともと自明性と非自明性とのあいだの弁証法的な運動がそなわっている。疑問をもつということは、われわれの現存在を統合しているひとつの契機である。ただしそれは適度の分量の場合にかぎられる。分裂病者ではこの疑問が過度なものになり、現存在の基盤を掘り崩し、遂には現存在を解体してしまいそうな事態となって、分裂病者はこの疑問のために根底から危機にさらされることになる。分裂病者を危機にさらすもの、それは反面、われわれの実存の本質に属しているものである。だからこそ分裂病はとりわけ人間的な病気であるように思われるのである。著者は1928年、ドイツのブレーメンに生れた精神病理学者。ビンスヴァンガーの現存在分析を継承しさらに幅広い哲学的考察をすすめる。また新しい精神分析理論、社会精神医学、反精神医学にも深い関心をもつ。テレンバッハと共に現代ドイツの精神病理学界を代表する一人である。 著者について 1928年ドイツのブレーメンに生れる。フライブルク大学の文学部でハイデッガー、シラジ、フィンクらについて哲学を、R.ハイスについて心理学を学ぶ。のち医学部に転じ1955年に医師国家試験に合格、翌年「妄想型分裂病の一例についての現存在分析的研究」を学位論文として提出、学界の注目を浴びた。この論文は現存在分析の古典的業績の一つに数えられている。フライブルク大学、ハイデルベルク大学精神科、ブレーメン市立病院を経て、マールプルク大学名誉教授。2002年歿。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ブランケンブルク,W. 1928年ドイツのブレーメンに生まれる。フライブルク大学の文学部でハイデッガー、シラジ、フィンクらについて哲学を、R.ハイスについて心理学を学ぶ。のち医学部に転じ1955年に医師国家試験に合格、翌年「妄想型分裂病の一例についての現存在分析的研究」を学位論文として提出、学界の注目を浴びた。この論文は現存在分析の古典的業績の一つに数えられている。フライブルク大学、ハイデルベルク大学精神科、ブレーメン市立病院を経て、マールブルク大学名誉教授 木村/敏 1931年生まれ。1955年京都大学医学部卒業。京都大学名誉教授。河合文化教育研究所主任研究員。精神病理学専攻。1981年第3回シーボルト賞(ドイツ連邦共和国)、1985年第1回エグネール賞(スイス、エグネール財団)、2003年第15回和辻哲郎文化賞受賞 岡本/進 1945年石川県小松市に生まれる。1970年京都大学医学部卒業。現在岡本病院院長 島/弘嗣 1947年生まれ。1973年京都大学医学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
自明性の喪失―分裂病の現象学の詳細
本のタイトル : 自明性の喪失―分裂病の現象学
作者 : W.ブランケンブルク
ISBN-10 : 4622021927
発売日 : 1978/7/11
カテゴリ : 本
ファイル名 : 自明性の喪失-分裂病の現象学.pdf
ファイルサイズ : 19.64 (現在のサーバー速度は29.73 Mbpsです
以下は 自明性の喪失―分裂病の現象学 の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
統合失調症と名称変更される以前の分裂病の理論が、どのような意味で人間存在の理解に貢献したかがあらためて示されている。
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