素粒子物理学ハンドブック

素粒子物理学ハンドブックの詳細

本邦のその道の大家が執筆した２０１０年現在の最新成果に基づくハンドブック。和書では同類の最新状況にもとづく成書は見当たらずそれだけでも大いに価値がある。内容は精緻に走らず広いカバー分野を良く纏めていて読み易く理解しやすい。大きさもコンパクトで何処でも携帯できる文字どおりの個人向けハンドブック。素粒子物理学を今後専攻したい学生がまず読むべき教科書としても適している。ただし専門家の目からの各分野の内容はやや物足りない感じ。さらに目標分野を専門的に学びたい人は、やや出版が古いが基礎的な部分は十分な内容である、同じ朝倉書店から出版されている朝倉物理学体系の「素粒子物理学の基礎１」「素粒子物理学の基礎２」「素粒子標準理論と実験的基礎」「高エネルギー物理学の発展」などと、PDGサイトの最新情報（英文）の補充を推薦する。評価は、素粒子データ・関連基本物理定数などの表がなく、その追加と理論を含めた定期的内容改訂（４年ごとを希望）を今後の期待とし、かつ個人向けハンドブックとしては、かなり高価に感じる。などを勘案して４つ星評価といたします。